アパレル生産管理を目指す人が持っていると良い資格は?
企画から製造、流通まですべての工程に携われる生産管理。アパレル業界でも生産管理を目指す人は少なくありません。やりがいのある仕事ですが、高いスキルを求められるという側面があります。生産管理を目指す場合は、客観的なスキルの証明として、資格を取得していると有利です。ここでは、アパレル生産管理を目指す人が持っていると良い資格について、概要や取得方法を解説します。スキルアップを目指す際の参考にしてください。
そもそもアパレルの生産管理とは
アパレルの生産管理は、デザインが決定した商品について、生産する量や素材、価格、納期などを管理する仕事です。素材調達も行います。
品質は保ちつつ、コストを削減するという、会社の利益に直結する重要な仕事です。マネジメント能力はもちろん、コミュニケーション能力も必要とされます。
ファッション業界においては目立ちにくい職種ではありますが、ファッションの生産から流通まで、広く関わることができるやりがいのある職種です。
アパレル生産管理を目指す人が持っていると有利な資格
繊維製品品質管理士(TES)
繊維製品の品質を管理する能力を証明する資格が繊維製品品質管理士(TES)です。消費者に提供される繊維製品の品質・性能の向上を図り、消費者からクレームがでないように製造・販売を行うことを目的としています。繊維のスペシャリストという位置づけになるため、取引先に対して技術・品質に対する安心感を与えられます。また、商談の場において、TES同士であれば、スムーズに交渉を進められます。名刺に「繊維製品品質管理士(TES)」と印刷するケースも多いです。
繊維製品品質管理士(TES)は、日本衣料管理協会が実施する認定試験に合格すると取得できます。繊維製品の品質管理業務に必要な基礎知識が出題される短答式と、その応用力を問う記述式の2種類の試験です。短答式は3科目、記述式は2科目が出題範囲となっています。
衣料管理士(TA)(一般社団法人 日本衣料管理協会)
衣料管理士(TA)は、繊維製品の素材・生産・流通・販売に関する専門知識を身につけた専門家です。商品企画から販売企画、分析リサーチ、コンサルティングなどを行えます。企業と消費者役のパイプとしての活躍が期待できます。
資格によって証明できるスキルは、先に紹介した「繊維製品品質管理士(TES)」と同レベルです。衣料管理士(TA)はTA養成大学で所定の単位を履修した人が取得できる資格で、繊維製品品質管理士(TES)は検定試験を受けて取得できるという違いがあります。
衣料管理士(TA)を取得するためには、「材料・品質」「加工・整理」「企画・設計・生産」「流通・消費・消費者問題」の分野の履修が必要で、2級は短期大学で28単位以上、1級は4年制大学で43単位以上の履修が必要です。
ビジネス・キャリア検定(生産管理)
中央職業能力開発協会(JAVADA)が実施しているビジネス・キャリア検定の一種で、「生産管理」分野は、4つの等級に分かれています。
そのうち最も取得しやすいのがBASIC級です。まだ製造業での就業経験がない人を対象にしています。学生が受験することが多いです。仕事の全体像や基本的な用語を学びます。
2級・3級は、作業管理や工程管理、資材在庫管理などの「生産管理オペレーション」と製品企画や設計管理、生産システム、生産計画などの「生産管理プランニング」があります。品質管理や原価管理、納期管理など、共通する科目もあります。
最上位が「1級 生産管理」です。生産管理オペレーションと生産管理プランニングの両方を含む内容です。
受験資格は設けられておらず、下位の級を取得することなく上位級を受験できます。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格です。経営に関する知識を得られます。製造工程や品質管理などを含めた生産管理についても学べる資格です。生産管理業務を経営者目線で考えることができるということを証明できるため、社内でも経営に近いポジションで質の高い仕事ができるようになります。
中小企業診断士の取得には、「1次試験」「2次試験」「実務補修・実務従事」の3ステップが必要です。1次試験は、筆記で行われます。経済学や財務・会計、運営管理など7科目から出題されます。2次試験は筆記と口述です。応用能力を判定されます。実務補修・実務従事は、2次試験に合格して3年以内に「登録実務補修機関が行う15日以上の実務補修」もしくは「中小企業診断士の行っている経営診断と同様の業務内容で15日以上の実務従事」を満たさなければいけません。試験に合格しただけでは取得できない資格です。
まとめ
アパレル生産管理職は、生産から流通まで幅広く扱える職種です。アパレル業界でのスキルアップとして目指し甲斐のある職種と言えるでしょう。コミュニケーション能力はもちろん、管理能力が必要な職種のため、生産管理職を目指しているのであれば客観的に能力を示すことができる資格を取得していると有利です。生産管理職に役立つ資格には、繊維製品品質管理士(TES)やビジネス・キャリア検定(生産管理)などがあります。資格取得を検討してみてください。
アパレルの生産管理は、予想外のトラブルが発生しやすく、その都度、臨機応変に対応していかなければなりません。また、他部署や外部の取引先とのやりとりが多く、作業工程をスムーズにするためには、円滑なコミュニケーションが求められます。
しかしその分、生産管理を経験すると、柔軟な対応力やコミュニケーションスキルはもちろん、生地や縫製、品質管理における専門知識や交渉能力なども身につきます。こうしたスキルは、生産管理の仕事はもちろん、別の職種に転職することになっても活かすことができます。
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